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「それじゃ、飯にするか」
綜二のその言葉で愛流、葵、ひかるそして綜二が、机の上にお弁当を広げる。
「おおっ! 絵になるね、玲菜お嬢様」
少し大きめのリュックサックを背中にしょい込み、眼鏡を掛けた男がそう言い、スケッチブックと鉛筆を手にした。
玲菜がご飯を口に運ぶその瞬間を、男は素早くスケッチブックに書き込んで行く。
「スティン、あれは完成したのか?」
玲菜を書き写す男を見て、葵は声を掛ける。
スティン・ノマ、彼はヲタクと呼ばれる人種で、絵が異常に上手い。また、発明家でもある。
「取り敢えず完成したぞ、葵姫」
「姫は止めろといつも言ってるだろ」
「そうはいかんよ姫。それと……ほい、スティン3世」
そう言って、スティンはリュックサックから少し大きめでいかにも重そうな成りをした刀を葵に渡す。
「少し重いな……なんとかならないか?」
スティンから渡された刀を持った葵は、当然の反応を示した。
「確かに重量感はあるけど、その分、圧力はお墨付きだぜ葵姫」
握り拳を作るスティンを余所に、葵は難しい顔で刀と睨めっこ続ける。
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