実技とプールと魔術

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13時――。   綜二達が属する1年の魔導機工科の今日の授業は、午後一で実技が入っていた。 この実技と言うのは、魔術の訓練をする授業だ。   真夏の炎天下の中、生徒達が外に繰り出し、20分程経過しようとしていた。   「よし、次!」   蜃気楼が見えそうな暑さの中、1人の男が気合いを入れて叫びを上げる。   「何やってる、もっと良く狙わんか! 次!」   男は再び叫び声を上げる。この男の名はニードル・ドリルン。 筋肉馬鹿だが、意外にも魔術が得意だ。 ニードルはマシュタリス学園の教師の1人で、今回の授業の担当を任されていた。   「違ーう! もっと良くコントロールをしろ、次」   綜二達が行っている実技の授業は、空に舞い上がる風船に火の下級魔術であるフレイムボールを当てると言う物だ。   ぶっちゃけ1年生の内は、止まっている物体に魔術を当てるのも困難である。 その為、動いている物体に魔術を当てるなど更に困難を極めた。   今回の実技授業の目的は集中力と魔術制御の術を身に付ける事だ。 集中力と魔術制御は、魔術を扱う上での基本中の基本で、魔術制御をしっかり学べば、敵に対して確実に魔術を当てる事が出来るのである。
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