実技とプールと魔術

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玲菜が手を空に向けると手の平から火の球が生まれ、そこから更に両側に円を描いて行く様に、9個の火の球が生み出された。   9個の火の球が生み出されたのを確認した玲菜は、空へと翳した手を風船と重ね合わせ、声を張り上げる。   「フレイムドライブ!」   その言葉と共に9個の火の球は、エスカレーターの様にゆったりと天に上る風船目掛けて飛んで行く。   放たれた9個のフレイムボールは見事、9個の風船に全弾命中した。   「なぁ見たかよ、今の」   「ああ、見たよ。全部当てちまいやがった」   「やっぱり良い所のお嬢様だから、英才教育とか受けてるだよ」   「だよなー」   生徒達は皆、少し嫌そうな顔をしながらひそひそ話をし出した。それも、本人に聞こえそうな声で……。   愛流とは明らかに扱いが違っていた。 そんな扱いに玲菜は表情1つ変えないで、歯を食いしばりながら堪えていた。   小刻みに震える玲菜の手。それを見たひかるは、玲菜を支える為、声を掛ける。   「す……凄ーい。上之宮さん、凄いよ」   「凄くなーい」   「うひゃっ」   叫び声に驚いたひかるはピクリと体を震わせた。
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