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叫び声の主はニードルであった。
ニードルは2人に近寄りながら声を掛ける。
「上之宮の言う通り生徒達に危険性は無かったが、今回の実技はフレイムボールの練習であって、他の魔術の使用を許可した覚えは無い」
「それはそうですけど……でも」
「問答無用! 愛流と上之宮それから綜二は、放課後補習を受けてもらう」
「ちょっとまてコラー。俺、関係無いだろ」
そう言って、綜二は少し離れた所から声を張り上げる。
綜二の言う通り今回の事に関して、綜二は全くの無関係と言えたが……。
「お前は愛流の幼なじみだろ、愛流が何をするか解っていて止めなかった。よって同罪だ」
「俺は無実だー」
頭を抱えた綜二は空に向かってやり場の無い言葉を吐き捨てる。だが、その叫びがニードルに届く事は無かった。
綜二を無視し、ニードルは腕時計に視線を投げる。
時刻は13時40分を指していた。
「少し時間が余ったな……自習にする」
生徒達を見回し、ニードルはそう言う。
そんなニードルに葵が声を掛ける。
「ニードル先生、少し時間を頂けますか?」
「ん? どうした木更。何かやりたい事でもあるのか?」
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