実技とプールと魔術

10/17
前へ
/32ページ
次へ
叫び声の主はニードルであった。 ニードルは2人に近寄りながら声を掛ける。   「上之宮の言う通り生徒達に危険性は無かったが、今回の実技はフレイムボールの練習であって、他の魔術の使用を許可した覚えは無い」   「それはそうですけど……でも」   「問答無用! 愛流と上之宮それから綜二は、放課後補習を受けてもらう」   「ちょっとまてコラー。俺、関係無いだろ」   そう言って、綜二は少し離れた所から声を張り上げる。 綜二の言う通り今回の事に関して、綜二は全くの無関係と言えたが……。   「お前は愛流の幼なじみだろ、愛流が何をするか解っていて止めなかった。よって同罪だ」   「俺は無実だー」   頭を抱えた綜二は空に向かってやり場の無い言葉を吐き捨てる。だが、その叫びがニードルに届く事は無かった。   綜二を無視し、ニードルは腕時計に視線を投げる。 時刻は13時40分を指していた。   「少し時間が余ったな……自習にする」   生徒達を見回し、ニードルはそう言う。 そんなニードルに葵が声を掛ける。   「ニードル先生、少し時間を頂けますか?」   「ん? どうした木更。何かやりたい事でもあるのか?」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加