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「ん?」
実技風景を見ていた男性はそう唸り、何かに気付いた。
「会長、会長、生徒会長」
小声でそう言って、男性は窓から実技風景を見ながら隣の席に座る人をシャープペンで突いた。
男性は隣の人の肩辺りを突いていたつもりでいたのだが――。
「堂々とセクハラか? シャル」
そう言って、ツンとした態度で男性の手をがっちりと掴んだ。
握り絞められた手からは異様な力が込められていて、その痛みに男性は慌てて隣の席に顔を向けた。
男性が顔を向けた瞬間そこに有ったのは、口許が引き攣り、薄ら笑いを浮かべる女性の姿だった。
男性が肩だと思って突いていたのは、実はその女性の豊かな胸だったのである。
「いや、これはその……よそ見をしていたからさ」
「シャル」
そう言って、女性は男性を睨め付けた。
いきなりセクハラ行為を堂々と行ったこの男性の名は、シャルティア・ソーシャルメンテ。
少々長い名前が特徴で、友人からはシャルと言う愛称で良く呼ばれている。
現在、魔導機工科の3年生で、実は風紀委員長を務めている。
シャルティアはそちら側ではかなり有名だった。
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