実技とプールと魔術

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葵がトリガーを引き、抜刀しようとした瞬間、とてつもない勢いで刀が鞘から出ようとした。 それは葵にとって未知なる物との遭遇に等しかった。   葵の意思とは関係無く抜刀するマティナルクレイモアの勢いは凄まじく、恐ろしい速さで抜刀。 風船は割ったが葵の体はマティナルクレイモアの抜刀の威力に弄ばれ、2、3回程空中で回転した。   凄まじい勢いで抜刀したマティナルクレイモアは、葵の右腕に筋肉繊維を引きちぎる程の衝撃を与え、限界まで圧迫。 激痛で指先の感覚が無くなると、マティナルクレイモアは葵の手を離れ、いずこかへと飛んで行く。   遠心力の衝撃で1、2メートル程飛ばされ、軽く地面に叩き付けられた葵は、直ぐ様上体を起こし叫びを上げる。   「キク、逃げろ!」   それは、焦りと絶望が入り交じった叫び。   呆然とするキクに向かっていたのは無垢なる刃。 何も解らずにキクは立ち尽くす。 自分の命の危機すらも解らずに……。 マティナルクレイモアは、確実に距離を縮めて行った。   絶望を打ち砕く声が上がったのは、そんな時である。
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