実技とプールと魔術

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「死にたくない奴は、私の射線上からどけー!」   叫びを上げたのは、愛流だった。 愛流の足元には既に、光りが立ち上る魔法陣が描かれている。   (まったく、どう言う事かしら……いきなりコキュートスの息吹を掛けてくれだなんて……)   愛流の足元に光る魔法陣、コキュートスの息吹を展開した玲菜は、心の中でそう呟いた。 今の状況に対応出来る魔術と言ったらかなり数が限られる。 玲菜は、愛流がそんな高度な魔術を使えるとは思えなかった。   さほど時間の余裕が無かった為、愛流は素早く目を閉じ、右手を真っ直ぐ前へ出して意識を集中させる。   「悠久に紡ぐとこしえに、我は天を指し示す。巻かれし闇の楔は、汝の意思を体言するだろう」   愛流のその詠唱を聞き、スリザンは驚いた。 それもそのはず、愛流が唱えている魔術は、1年生が扱える様な代物では無かったからである。   「微かに聞こえて来るこの詠唱は、まさか……」   驚くスリザンを余所に詠唱は更に続く。   「恐れる事なかれ。汝、盟約に従い、心の鎖となりて我が敵を打ち砕けっ!」   力の入ったその言葉は、強力な魔力の胎動を生み出した。
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