魔導機鋼学園マシュタリス

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純西暦108年8月――。   「おはよう」   灰色の道路沿いを歩きながら声を掛け合う、学生服を着た学生達。 彼等の通う学園は、世界中の魔術学園で唯一、魔術と機械工学が学べる学園、魔導機鋼学園マシュタリスだ。   マシュタリスは、日本の主要都市であり特別区域にも指定された東京と言う街に建設されていた。   「やぁ、おはよう」   その言葉と共に、一人の男性の肩が軽く叩かれた。   「ん。その声は愛流って、うおぉぉ!」   聞き慣れた声に男性は振り向いたが、瞳に映った物に男性は絶句した。   「愛流、何してんだ? 今、夏だぞ」   そう言って、男性は呆れた顔をする。 男性の目の前に居るのは、雪だるまの着ぐるみを着た愛流であった。   天見愛流(あまみあいる)。男性とは同じクラスで、マシュタリスの1年生だ。 とにかく元気いっぱいな女性で、クラス内ではムードメーカー的な役割を果たす。 また、頭から跳ね出している触角の様な髪の毛は愛流のチャームポイントで、それは愛流いわく、愛流センサーらしい。ただ、何に反応するセンサーなのかがいま一つわからないでいる。
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