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「何の修行だよ? つーかお前、センサーの事一つも話した事無いだろ」
「ん? そうだっけ。まぁ細かい事は気にするな綜二君」
校門に辿り着いた2人は、そのまま校舎に入ろうとしたが……。
「おいそこの2人、ちょっと待て」
2人を静止する声が上がった。
「そのふざけた格好は愛流だな……校則違反だぞ、制服はどうした?」
そう言って、1人の女性が木刀の剣先を愛流に向ける。
女性の腕には風紀委員の腕章が付けられていた。
「葵、俺は良いよな?」
綜二は当たり前の事を確認すると、葵と呼んだ女性の「問題無い」と言う言葉を聞いて、迷わず校舎の中へと入って行く。
木皿葵(きさらあおい)、彼女は見ての通り風紀委員だ。だが、ただの風紀委員ではない。
1年生でありながら風紀副委員長を勤める、超が付く程の真面目な女性である。
「校則違反は厳重に処罰させて貰う!」
そう言い、葵は木刀に仕込んでいた仕込み刀を音も無く抜刀した。
「え……あおっち、冗談だべ?」
「問答無用っ!」
叫びを上げる愛流に構わず、葵は着ぐるみだけを切り裂いた。
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