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(…海の泡となって、消えていった人魚
私もいつか、壊れて消える。この体も、幾世紀に渡る記憶も…
後世に遺す何物も無く
ただ私は、この世から消滅する)
とことこ…
「まだ、眠れないんですか?」
「リージアン…
私なら、迷わず王子を殺す」
「えっ⁉💦」
「魂が欲しいと思っていたのは、お前じゃないのか?あの人魚姫は、お前の事じゃないのか?リージアン」
私の言葉にリージアンは、少し驚いたようだった。
「…余り知られていませんが、あの話には続きがあるんです」
彼は、やさしい眼(正しくは、人工眼球)で話始めた。
「人魚は、水の泡から空気の娘へと生まれ変わり、他人を幸せにする毎に体が軽くなって、いつの日にか天上に昇り、魂を得る事ができるんです」
「そうか
それならいい…」
人間には人間の
人魚には人魚の
魂が宿っている
「…おやすみ」
「はい マリア」
森に…風に…
水に…石に…
「お休みなさい…風邪をひかないように」
もしかしたら、ロボットにも魂は、存在するのかもしれない…
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