序章

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   ボクの名前は、№666グレイブストーン。悪名も含めてたぶん世界で最も有名なマスター、レイナ・トレミン作の最後の自動人形。  オレンジの炎が丘の家を飲み込んで、夜空を焦がしている。ボクが造られ、マスター・トレミンと過ごした家が燃えている。  ボクはそれを丘から少し離れた林の中で、静かな闇に沈黙する大樹の陰に隠れるようにして見ていた。  丘の向こうが騒がしくなり、明々とした炎に包まれる丘の家を目指してたくさんの小さな灯りが集まってくる。けれどもう手遅れだ。あの炎は消せない。家も、家の主も、全てを跡形も無く消しさるまで、あの炎が消えることはない。あれはそういう風にボクが命じて造り出した“魔法”なのだから。  マスター・トレミンは死んだ。グレイブストーンが殺した。 .
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