プロローグ

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茜色に染まる部屋。 2人きり。 ベッドで横になっている彼女。 風邪を引いた彼女を看病する親は遠い昔に逝ってしまっている。 いつもからは考えられないほど弱々しく、彼女は呟く。 ごめんね、と。 何故?と僕は問う。 だって…、好きな子が他にいるのに…、私の世話なんてしてるんだもの…。 ごめんね。…でも嬉しかった。 何故?ともう一度問う。 僕は今、昔からずっと好きだった子を看病しているんだ。 こんな幸せなことはないよ。 彼女の顔が染まる。 それは熱の所為か、夕日の所為か、それとも他の何かか…。 一瞬の沈黙。 そして 僕たちは自然と1つになった…
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