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「まぁとりあえずこれ、渡しときますね。明日にでもサイゼで打ち合わせしましょう」
そして俺はUSBを渡した。……てかなんでこいつ封筒もって来てんの?
「ああはい。それと先生」
「なんです?」
「これ、やりません?」
そう言って封筒から出したのは1枚のCD、そう
「スマブラですか?てかゲームキューブ版て…懐かしいなぁ」
「この前たまたま出てきてなんかやりたくなって。wiiつけますねー」
「…今………からっすか?」
「はい。え?ダメですか」
ダメではないが…夜中に男女二人がそろってゲームっていい大人がすることじゃあない気が。てか家庭はどーした。
「まさか本当はこれやりに来たんじゃ」
「そっそんなぁわけないでしょうに!ほっほらはやく始めますよ。あっカービィーは私ですからねぇ!」
リモコンをかちかち叩きながら焦ってるこいつ。自白してるようなもんだろ。ま、まぁこいつをゲーマーにしてしまったのは十中八九俺なんで文句は言えないんだがなぁ。ああ東京在住の単身赴任中の旦那さん、すまない。俺だってこんな綺麗にはまっていくとは思わなかったんだよ。
「んじゃなんで封筒なんですか」
「だって前に全部紙でよこしたじゃないですか…」
あーあったなぁ。紙で書きたかったんで、っつたら納得するお前も悪いと思うのは俺だけか?
まぁお互い暇だったのでテレビの前に仲良く並んで座りながら仲良く乱闘していた。12対3と俺の圧勝でそろそろハンデでも考えるかと思っていた時だった。効果音とBGMが響く部屋にカービィーでハンマーをブンブン振り回してるこいつが話しかけてきた。
「そう言えば翔太が今年高校生なんですよ~」
「ふぅん…」
高校、か。
「もうそんな時期っすか」
「早いですよねー学ラン着こなせるのかなぁ…」
「本当に、早いですね」
あれから14年か、本当に早い。
俺の高校生活は並大抵の生活ではなかった。それはもう俺が書くファンタジーのように。
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