destruction

1/1
前へ
/53ページ
次へ

 destruction

深い森の奥の湖の真ん中で 君は閉籠っていた… 体をちぢこめて 漆黒の翼で覆い隠し 光すらも拒んでいた… 羽根は少しずつ抜け落ち 君の周りを囲むように 湖の上を漂っていた… そんな君を助けたくて 僕はゆっくりと君に近付き そっと手を伸ばした… そして君の その漆黒の翼に触れた瞬間… 君は…静かに砕け散った…… 一瞬見た君の顔は 寂しそうで… 悲しそうで… 光を宿さない君の瞳には ただ、僕の姿が映っていただけだった
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加