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久しぶりに会った時緒は、昔と全く変わらなくて……。その懐かしさにあの時のもどかしさが蘇ったけれど……。
変わらないアイツの笑顔を見ていたら、そんなことも忘れてしまった。
(……でも……)
……また、何も言えなかった……。
アイツに伝えなきゃいけないと、分かっているはずなのだけれど……。
どうしても、言い出せなかった。
もちろん、洸がいたということも、言い出せなかった理由の一つではあるけれど。
(--結局、オレは……)
傷付くのが、恐いんだ。
アイツは、それも覚悟の上で伝えてくれたのに。
(逃げてるんだ、オレは……)
アイツの気持ちから。
自分の気持ちから。
傷付くのが、恐いから。
「……バカじゃねぇの……」
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