vol.3 宣戦布告

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 まだ昼休みは残っているから、とそのまま裏庭に止まる二人。 「……で? 好きなヤツ、いてんねやろ?」 「…………あぁ……」 「のワリにはあんま嬉しそうやないよなぁ、自分……」  小石を蹴りながら聞いてくる洸に、少し躊躇いながら聞く。 「……お前さ、幼馴染みって、いるか……?」 「? あぁ。一応大阪にいてんで…………って、もしかして自分、幼馴染み好きになった、言うて悩んでんちゃうやろな……?」 「--------そうだよ」 「はぁ? 何悩んでんねん。別に構へんやろ、幼馴染み好きになったかて……」  そんな悩むことか? と首を傾げる洸に、自嘲気味の笑みを浮かべながら言う。 「海堂時緒」 「は……?」 「この前会っただろ? アイツ以外に幼馴染みなんていねぇ……」 「……」 「オカシイだろ? 男が男を好きになるなんてさ……」  くっ、と笑って黙り込んでいる洸を見る。 「呆れたか? 鳥羽……」  嗤いながら聞くけれど 「----そんなハズないやろ」 「とば……?」  真面目な顔で返されて、逆にこちらが驚いてしまう。 「別に変なコトやないし、そない気にするコトでもナイやん。好きになったヤツの性別が、ただ単に男やっただけやろ?」 「……とば……」 「せやから、そんな風に自分を貶めるみたいな言い方、ヤメや……」  いつも通り、人好きのする笑みを浮かべて肩を叩いてくる。 「大丈夫。おかしなコトやあらへんよ」 「……そう、だな……」
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