ペンダントラビリンス

第一章 時代

「私のこの可愛いアンヨに怪我をさせるなんて、最低」
　女はそう言って、一人の男に、右手を突き出した。
「ちょっとアイル、こんなところであれやるの？」
　女の右隣にいた子がそう言って止めに入った。
「ここであれわけにはいかないですわよね」
　左にいた、いかにもお嬢様って感じの女が首を傾げながら彼女に聞いた。
「ヒカル、レイナ、手を出さないでよ。私、こんな最低な奴を試すためだったら、何だってやるわ
よ。邪魔しないでくれる」
　女の子はそう言うと、目を閉じて、そのまま精神を集中させた。