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「アルロワ様がその様に申されるならばこのウィンドロゥ、何も言いませんが、しかし、サイグファング殿! 貴公も口を慎まれよ!」
ウィンドロゥは、前を行くサイファーに言い放つと、サイファーは軽く左手を挙げ応える、と同時にその足取りを止めた。
「……どうしたの?」
サイファーは三度振り返り答えた。
「前の連中も止まってる……見ろよ、崖から大きな岩が落ちて道を塞いでるんだ」
隊列からはみ出したアルロワは、前方を確認する。ウィンドロゥもまた同様だった。
「……馬ではもう無理ですな」
そうウィンドロゥが呟くと、呆れ顔でサイファーが言った。
「ハッ、馬無しなんて無理でしょ、西の小国まで一体どれ位あるとお思いで? 辿り着くまで重装備での徒歩など全滅してしまいますよ?」
それを聞いたアルロワがサイファーに言う。
「ねえ、他の道を探した方が安全なんじゃないの?」
再び呆れ顔でサイファーが言った。
「……はぁ、もうお前は黙ってろよ? 行けたら最初から行ってるっての、今回の任は、極秘なんだぜ?」
「……確かに、今此処で道を変更はできませぬな、他国にでも知れたら我が国の未来もまた、危うくなりましょう」
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