―序章―

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   残されたオーランと騎士達は、王女マリアを守るべく円形の布陣を組み全方位に向け盾を構え、その中心にマリアを抱えるオーランが指揮を執る。   「このまま後退せよっ!!」    すると騎士達は円形の布陣のままオーランを中心とし、時計回りで回転し始め、高原地帯へと後退していく。   徐々に矢の射程距離外、併せて谷も拓けてくるとオーランは次の指示を出す。   「前方へ守を固め、ペイジは馬を確保!!」    完全に矢の射程距離外へ辿り着くと残るは後方にある爆炎の壁。   「騎士達よ!! 今一度堪えよ!! 炎はやがて消える!! ……守れっ!!」    オーランの指示に騎士達は大声を挙げ応える。すると崖の両脇にいる何十もの人影の動きに動揺の色が窺えた。その時、一人の騎士が手に持つ盾を、いともた易く貫く矢がそのまま鎧に突き刺さるのをオーランは見た。    鎧を貫かれた騎士は盾を落とし倒れると、同時に騎士の抜けた箇所だけぽっかりと穴を開けている。その盾の隙間に矢を数本連続して射貫かれ、盾を構えていない騎士達が次々と倒れていく。    その光景の中、オーランは矢が飛んできた方へと目をやると、先程まで正面の行く手を阻んだ大岩の上に、身の丈以上にもなる弓を構える人影を見た。  
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