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彼女はその山盛りごはんをお箸ですくい、口に放り込んでもぐもぐと食べる。 もぐもぐ。 もぐもぐ。 変な人だ。 パンをくわえて学校に行くならまだわかるが……いや、それでも実際に見たことはないから目の当たりにすると驚くだろうけど、ごはんを食べながら学校へ向かう人がいるとは夢にも思わなかった。いや、実際に見ても信じられない。しかもぼくにぶつかったあの勢いからするとかなりの速度で走っていたことになる。ごはんを食べながら。正直、イカレてるとしか思えない。 そんなことを考えながら華麗は彼女を見ていた。 彼女はごはんをもぐもぐ。咀嚼し終えてから華麗に言う。
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