52人が本棚に入れています
本棚に追加
えーっと、確かあたしが行ける世界の中でこの世界と同じ言語が通じるのは第二十三世界の日本ってとこだからぁー……。
さっきステルスも使っちゃったから魔力足りるかなぁ……?
いやっ、でも今はそんなことを心配してる余裕なんてない。
魔力が足りなかったらその時はその時。
あたしの信条を思い出せっ!
いつだってこういった状況の時はだめもと!
よーっし、
「──今ここに開け世界の扉。我の望む場所と此の場所を繋ぎ給はん!」
……あくうっ!
この魔力をごっそり持ってかれる感覚は全然慣れないなぁ。
どうやらひとまず成功したみたい。
だったらさっさと、あのバケモノに追い付かれる前に、魔力が尽きて浮遊魔法の効果が切れる前に、この扉を通らないと。
あたしは空に浮かぶ扉のドアノブに手をかけ回して押す。
人が一人ギリギリ通れるくらいに開いたら滑り込んでドアをすぐ閉めるっ!
バイバイこの世界。すぐに戻ってくるからねっ。
扉を抜けた先の足元に広がってるのは住宅街。
よし、ばっちり思った通りの世界に繋げてる。
「はふぅ~……、間一髪だったぁ……」
窮地を脱して一息ついた時に、それは起きた。
最初のコメントを投稿しよう!