コードネーム〈天使〉

7/20
前へ
/52ページ
次へ
 あ……れっ?  ちょっ……!?  嘘っ!? 冗談でしょっ!?  あたしが出てきたのは目測で五十メートルくらい上空。浮いてたハズの体は、そこから一気に落ちていく。 「う、ひゃあああああああっ!」  どーしてこんな早くに魔力切れおこしちゃうのおっ!  ああ~っ、何か何か何か何かっ! 浮遊を使おうと思っても、やっぱり今日は打ち止めみたいでうんともすんとも言わないし、そんな間にも地面はどんどん迫ってきてるしーっ! 「あ、そうだ」  確かアレがポケットに……、あった!  “爆発”の魔法の銃弾(マジックバレット)。  あたしの銃で打ち出しちゃとんでもない爆発になっちゃうけど、手で投げるならかなり小規模になる。  その爆風で落下速度を弱められれば──って、 「危ないからどけてーっ!」  悪いことは重なるってゆーけど、まさか落下地点に人がいるなんてっ! あたし今日運悪すぎ!  しかも気づいてないっ!  「危ないからどけてーっ!」  地面は目前。やっと気づいた。  間に合うか……っ! 「マジックバレット“プチバースト”!」  起こる小さな爆発。あたしの体はふわりと浮いて地面に落ちる。 「爆発がちょっと近すぎたや……」  とっさの作戦は若干の失敗。  あたしの意識は遠く遠くに飛んでいった。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加