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異世界移動はまだ許されると思う。
でも、騒動を起こす。器物損壊。この世界の治安部隊であるケーサツのお世話にでもなっちゃったら……!
あわわわわっ!
もしそんなんなったら始末書どころか思いっきり減給になっちゃうかも……。
あーん! 日比谷ぶちょーそれだけは勘弁して下さ──
「……はうっ」
目を覚ました先には、白くて高くもなく低くもない天井。
あれ……? あたし確か外で気を失って……。
「ん、冷やっとする」
おでこには濡れタオル……ってことは、あたし介抱されてたの?
「うん?」
耳を心地よいハミングがくすぐった。
体を起こして周りを見ると、台所に立っている誰かの後ろ姿が目に入る。
中肉中背で、頭には三角巾、少しだけ覗いてる髪は黒のショート。体にはエプロンを着けて、鼻唄を歌いながら料理の真っ最中。
「あ、あの~……」
何にせよ話しかけないと始まらない。
「あ! 起きたんですね」
……あうあう。
振り返った子の顔を見て思わずぽーっとしてしまった。
中性的な顔立ちに、若干垂れたくりくりとした目。それに加えて反則的なほにゃっとした笑顔。
声を聞く限りきっと女の子だと思うけど……。
……可愛すぎるよこの娘。
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