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「へ……?」
流れる沈黙。きょとんとした顔。
愛流さんは半信半疑といった表情をしてる。
「うそ……男の子?」
こっちの方が印象強いかと思って、ボクは何も言わないで首をぶんぶんと縦にふる。
「それじゃひかるちゃんじゃなくてひかるクンなの?」
「はい……」
あうあうあう……、慣れてるとは言ってもボクだっていっぱしの男。やっぱり勘違いされてたショックはけっこうある。
「こんなに可愛いのに?」
「よく言われます……」
愛流さんは冷や汗をたらしながら、どんどん表情が苦笑いに変わっていく。
うう……、自分で『よく言われる』なんて言うのもダメージ大きいよう。
「…………」
またしてもわなわなと震えだす愛流さん。しかも無言で。
やっぱり気まずいと思ってるよね……。
そう思っていると意外にもすぐに口を開いて、
「まずゴメンね、ひかるクン」
「いえ、慣れっこなので気には……」
「でもね、あたしは可愛すぎるのは時に罪だと思うよっ!」
「え? ……はにゃあっ!」
ま、またぁ~!?
愛流さんに押し倒されるボク。馬乗りされちゃ今度こそ脱出は不可能そうだよ……。
……うん、ヘタに考えても仕方ない。ここは愛流さんに聞きたいことを聞こう。
「こんな状態で聞くのもなんですが、一つ質問いいですか?」
「うん、何でも聞いてよひかるクン」
「それじゃあ、愛流さんって天使ですか?」
その質問をした次の瞬間、愛流さんはいきなり後ろへ飛びのいた。
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