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あれあれあれ?
愛流さんはいったいどうしたんだろう?
飛び退いたと思ったら、いきなり距離を置いて部屋の隅にいるし、その顔には冷や汗が浮かんでるし……。
ぼ、ボクが変なことを言ったせいなのかな……。
「ひ、ひかるクン……、ど、どーしてキミはあたしの識別名称(コード)を知ってるの……?」
「コード?」
……って、いったい何だろう? まさかテレビとかゲームのそれじゃないだろうし、愛流さんが動揺してるんだからもっと別の何か?
「あ、れ? 知らないの?」
拍子抜けした顔をする愛流さん。
「コードって何ですか?」
「コードっていうのはね、コードネームの事であたしのそれが“天使”……って、あーっ!」
「ど、どうしたんですか!?」
「ひかるクンが知らないなら黙ってるべきだったのに……。いやっ、助けてもらったし隠し事はよくないね!」
愛流さんは何か決心してから置いた距離を一気に戻して、ボクの前に立つと、
「それじゃ改めて自己紹介するね。あたしは第三世界の“中央省希少幻獣保護監察部”直属、盗まれたり密輸されている幻獣を盗み返す専門の政府公認の泥棒、天見愛流、十七才でっす!」
ピースを目元に持ってきてポーズを作りながらウインク。
今、ものすごく興味深いっていうか秘密にしてなきゃダメそうなコトを聞いたんだけど……。
ボクに話しちゃってもよかったのかなぁ。
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