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一口にドラゴンって言っても、(これはボクの勝手な憶測かもしれないけれど)色々な種類がいる。
だからどんな種類か聞こうとしたんだけれど、ボクの気持ちを知ってか知らずか。
ボクに質問する間を与えることなく、愛流さんは言葉を続ける。
「このコはエレメントドラゴンって言うんだ。ドラゴン族の中で一番頭がよくて、珍しくて希少な種。どれだけかと聞かれるなら、私たちが制定する保護レベルっていうのがあるんだけど、それの最上位Sランク、レッドシグナル級。とにかく珍しいんだよ」
はわぁ……、やっぱりドラゴンには種類があるんだぁ……!
「どうしてそこまで希少なモノが盗まれたりしますの? 話を聞けばそのエレメントドラゴンとやらも頭が良くて強いんでしょう?」
ちょっ……! 玲菜っ、いったい何言って……。
「その辺はあたし関係ないからそこまで言えるワケじゃないんだけど、基本的にこの種は一回に一つだけしかタマゴを産まないんだよ。だけど、何があったのか今回は二つ産んだんだよね。そこで頭がいいってのが出てくる。頭が良すぎるからか、合理主義……っていうのかな? 親は一つのタマゴに集中してもう一つはおざなり。だから本来ならものすごく暴れるハズなのに、全く関心を示さなかったらしいんだ。だからって保護してる側としてはハイそーですか。なんて言えないでしょ? そこであたしの出番になったってワケ」
途中から愛流さんがこの世界に来なきゃいけなくなった理由の前フリの説明になってた気がするけど、だいたいの事情は把握できた。
それにしても玲菜……、言葉のトゲがまだあるよ~……っ!
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