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よし、今日はシチューにしよう。
今日一日、授業をろくすっぽ聞かずに放課後まで考えた末の結論。
確か材料は家に揃っていたはずだし、もう秋も半ばで冬も近いからちょうどいいだろう。
玲菜と一緒に帰ろうと思ったんだけど、どうにも今日は生徒会の集まりがあるってことでボクは一人朝来た道を歩く。
「やっぱり今日も何もないのかなぁ~」
そんなことをぼやいた時だった。
「――――――てー!」
「あれ?」
何か聞こえた気がして辺りを見回す。
でもここにはボク以外に人はおろか、猫の子一匹すらいない。
空耳かなぁ……?
「――――けてー!」
「!」
いや、空耳じゃない。確かに今誰かの声が聞こえた!
でも周りに人はいないしいったいどこから……
「危ないからどけてーッ!」
「上!?」
声が聞こえた方を見上げると、ボクのいる所へととんでもない速さで落ちてくる何かの姿。
「うわあっ!」
慌てて飛び退いた次の瞬間、さっきまでボクの立っていた場所には小さなクレーターが出来ていて。
「今のは……?」
普通の人なら驚いて言葉が出なかったり頭が真っ白になりそうな出来事。
だけど、この非日常的な事を目の当たりにしたボクの胸は自然と高鳴っていったんだ。
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