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「はあっ、はあっ、はあっ……」
ど、どうしよう。
落ちてきた時のあの凄い音に気づかない人はいないだろうし、家も割と近くだったから勢いあまって連れてきちゃったけど……。
あの時ちょっとしたクレーターの真ん中で目を回していたのは、人の形をした何か。
身長はボクと同じくらいか少し高くて、顔立ちと体つきを見るとたぶん女の子。
髪は少し内巻き気味のショートで一ヶ所だけピンと上に跳ねている。
確か……何て言うんだっけ……、いつだか友達に聞いた──……
「あ」
そうだ、確かアホ毛!
どうしてアホ毛っていうのかは考えても分からなさそうだから置いとくとして、彼女を運ぶのはちょっとした労働になりそうだ。
と、思ったんだけれど、彼女の身体に手をかけて持ち上げようとしてびっくり。
それこそ羽毛を持っているかのように軽かった。
だから自分でも初めてなお姫さま抱っこ(されたことはある)をしながら逃げるように家に帰ってきて、彼女を居間のソファーに寝かせて今の状況に至るってワケ。
とにもかくにもまず介抱しないと……。
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