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……私、今、何をしたの……?
わけがわからない、といった表情を一瞬浮かべると、いつの間にか集まっていたギャラリーを掻き分け、愛流は校舎に向かって走り出した。
「ちょっと! 愛流?!」
「僕が行くよ」
慌てて追いかけようとする玲奈を制し、ひかるは走り出した。
さすが校内で右に出るものはいないといわれている運動神経の持ち主である。100m走も5秒台で走るとか何とかって噂もあったっけ。さすがにそんに早くはないものの、こちとら100m走8秒台後半である。あっという間に見えなくなってしまった愛流を一人寂しく追いかける姿は、端から見ると滑稽であるかもしれないが、愛流の行く先がわかっていたひかるは、目的地へと急いだ。
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