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「だ、騙されてたの?! 私、だまされてたのぉぉぉ??!」
「だから騙してないって!」
「騙して・・・・ない?」
「騙し・・・・僕、騙したのかな?」
「知らなぁいっ! 私にきかないでぇぇぇっ!」
「な、泣かないでよ、愛流!」
頭の中で電波が大反乱。
現実では愛流が大混乱。
感情が高ぶり泣き出してしまった愛流を、必死になだめようとするのは曽根川ひかる(そねかわ ひかる)。性格は至って温厚。身長は156cmの愛流よりも4.7mm低い151.3cm。もう16歳になったというのに、身長は一向に伸びる気配がない。
「ご、ごめんね愛流ー!」
どうやらそのひかるも混乱してしまった様子。愛流のチャームポイントである天に向いて反り返る一束の髪の毛─しかし今はぐったりとしている─を、必死に引っ張って元気にさせようとしている。
なんともまぁ、滑稽だ。
せめてもの救いは、ここが屋外ではなくひかるの部屋だという事であろうか。
外にも聞こえているであろう二人の声を聞きつけていぶかしむ人もあるだろうが、何はともあれ姿を見られなくてすむ、というのは大きな違いであろう。
最も、例え屋外であろうとも人目を気にする2人ではないのだが。
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