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「あ、ご、ごめ……」
そう言って、愛流は慌てて手を離すも恥ずかしさは消えず、さらには今まで手のひらで無意識に感じていたひかるの温もりが消えていくのを感じてますます恥ずかしさが込み上げてきた。赤面していることを誰にも気づかれたくなくて、思わずうつむいてしまった。
そんな愛流不審を思う玲奈が一人……
「あんた、風邪引いたの?」
先ほどとは打って変わって優しく問いかける玲奈に対して、愛流は首を振った。
「ううん、違う」
そういいつつも、やはり赤く染まっているであろう顔が気になり顔を上げることおができない。
「じゃぁ、どうしたのよ」
風邪ではないという答えに玲奈は安堵したのか、一瞬優しくなった口調を再び強めた。そして、一歩、二歩、と進み、愛流の俯いている顔をグイとあげた。愛流は一瞬玲奈の美しい緑色に輝く瞳を直視するも、恥ずかしくなり慌てて視線を外す。
しかし玲奈はそんなことお構いなしに愛流にお説教タイムだ。
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