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先程、ウェイトレスが座っていた椅子に腰掛け、テーブルの上を見たハルヒコは言葉を失った。
「何だ……これ」
そこには、色とりどりの皿(主にデザート。しかも、ほぼ食いつくされた状態)がところせましと置かれていたのだ。
「んー? 心配しなくても、ハルヒコは自分の分だけ払えば良いよ」
にへらと笑いながら、コーヒーをすするレン。しかし、ハルヒコが聞きたいことはそうではなく、
「お前が全部食ったのか……?」
驚きを隠そうともせずに訊く。
「乙女に恥をかかすとは……ハルヒコも悪よのぅ。ま、そゆこと。一応ウェイトレスさんに食べるか聞いたんだけど、フラれちゃったわ」
もはや、ため息すらでない。
唖然とした表情で、呼吸すらも忘れたハルヒコをレンは現実へと引き戻す発言をした。
「――んで、四組のコイブミちゃんの話はどんな感じだった?」
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