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幼い時、ひかるはよくいじめられていた。
理由は男か女かわからない外見のせいらしい。
まあ、そこは今でもあんまり変わってないらしくよく性別不詳と言われるのだが。
当時のひかるは友達もなく、いつも一人だった。
それ故に頼れる者も居らず、いつもいじめられていた。
そんなある日、彼女が現れた。
凛とした背中。気高い瞳。絶望の淀みすら照らすような金色の髪。
突如として現れた少女はまるで、ひかるのピンチに駆けつけてくれたヒーローのようであった。
疾風のように、彼女は瞬く間にいじめっ子達を蹴散らした。
今でもひかるは、その時の光景を鮮明に覚えている。
その強さに、その美しさに、まばたきも忘れて見入っていたことを。
「大丈夫?」
いつの間にか、泣いていたことすらも忘れ、少女に見入っていたひかるに、少女は手を伸ばした。
それはまるで、暗闇に差し込む太陽の光のようであった。
「弱いからいじめられるのよ。男の子なんだから……嫌、男、女……どっち?」
ちなみに、ひかるは生物学上れっきとした男の子である。
「とにかく!」
コホン、と、少女は仕切り直すように咳払いをし
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