27人が本棚に入れています
本棚に追加
関係というものは月日とともに変わって行くものである。
長年連れ添った恋人と別れたり、数ヶ月前まで知らなかった相手と恋人になったりと。
それはひかると上之宮玲奈もしかり、であった。
「ほらっ」
荒っぽい仕草で投げられたプリントがひかるの机の上に広がった。
輝く金髪に凛とした態度。体からにじみ出る仕草と気の強い瞳からプライドの高さが伺える。
上之宮玲奈。世界の8割を占めるという大企業、上之宮財閥の愛娘であり、ひかるの幼なじみである。
「先生に頼まれましたの。先生に言っといてくださる。あなたへの用事に私を使うなと」
いつからだろう。玲奈のひかるに接する態度が変わったのは。
上之宮玲奈はお嬢様だ。
それも世界的大企業のだ。
本来ならばもっといい学校に行けるはずだった。
けど、彼女はひかると同じ学校を選んでくれた。
ひかると同じ学校に通いたい、という理由で。
玲奈がそう言ってくれた時、ひかるは本当に嬉しかった。
だけど、いつからだろう。
彼女の態度が変わったのは。
最初のコメントを投稿しよう!