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1ヶ月ほど前だったと思う。
彼女の態度が冷たくなったのは。
本当に、本当に唐突に、彼女は突然ひかるに冷たくなった。
ひかるだけじゃない。
その日から玲奈は誰も近付けなくなった。
いつもクラスの中心に居た彼女が、いつの間にかクラスの輪から外れていた。
「よろしくて」
突き離すような言い方だ。
金色の髪をかきあげ玲奈は去って行った。
「あ……」
ひかるは呼び止めようとするが、何を発すればいいかわからない。
その間に、玲奈はさっさと教室から出て行ってしまった。
「よう、まだ仲直り出来ないのか坊……お嬢ちゃん」
見計らったようなタイミングで夜貴が光の席の前に座った。
「何で言い直した」
「ほらだってお前性別不詳じゃん」
「違うわ」
島原夜貴。着崩した学ランに赤茶に染めた髪は見るからに不良。
元々は入学早々この学校の不良グループのリーダーをやっていたのだが、色々あって、今ではひかるの友人で、いい兄貴分である。
「いい加減仲良くしようぜ」
「僕だってそうしたいけど……」
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