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「問題はお姫様か……でもあいつ、結構無理してるぜ」
「え?」
「あいつも悩んでるってことさ」
お姫様とは夜貴がつけた玲奈のあだ名である。
トン、と夜貴は指で机を叩きながら
「あいつにはあいつの事情があるんだろうさ。一回無理にでも話をつけてみな。大丈夫、姫さんだってお前のこと嫌いじゃないさ。一緒に居たいから入学したくらいだろ」
「そう、かな」
歯切れが悪くひかるはうつむいた。
「そうだよ坊……嬢ちゃん」
「だから言い直すな」
ハハ、と、笑い夜貴は肩を叩いて席を立った。
「相思相愛だよ。お前らはな。俺が保証する。俺保険だ」
違ってたら保険金でも貰えるのだろうか。
夜貴は、1人納得したように笑いながら席を立って行った。
「相思相愛、ね」
そうだったら嬉しいな、とひかるは憂鬱にため息をついた。
◆
委員会の仕事を終える頃には、すでに校舎内にはほとんど人が残っていない状態だった。
昼に渡されたプリントは今月入荷した新しい本のリストで、それをチェックするので遅くなったのだ。
「別に図書委員でもないんだけどな」
本当はちゃんと図書委員が別に居るのだが、何故か気が付いたらひかるが担当になっていたという謎。
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