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「あら、西行妖を見てみたいの?」
桜也「はい。すごく見てみたい……って誰!!」
桜也は普通にスルーしてしまいそうになったが、今この家にいるのは桜也1人だけである。声がするはずがない。
桜也は謎の声がした方向を向くと、
「どうも、こんばんは。」
部屋の中心近く、そこに体を半分だけ外にだしながらスキマに寄りかかっている女性がいた。
桜也「や、や、八雲 紫…」
たった今、妖々夢をプレイしていて闘っていた八雲 紫が目の前にいた。
桜也「な、なんで?」
紫「あら、私を知っているの?私って有名ねぇ~」
紫はのんきなことを言いながらもその目は桜也のことをしっかりと見つめていた。
桜也「何が目的で現れたんだ?」
桜也はとりあえず質問してみた。
紫「庭にある立派なあの桜。いつからあったのかしら?」
紫は桜也の質問には答えず質問で返してきた。
桜也「俺がこの家に引っ越してきた時からだから、十年前ぐらいかな?…ていうか俺の質問に答えろよ。」
紫「そうね。私は庭の桜の様子を見に来たのよ。そして今、確信したわ。あの桜は普通の桜ではない。」
桜也「どういうこと?」
紫「普通、十年ぐらいではあんな大木になりませんわ。今すぐ幻想郷に移さないと枯れてしまう。」
桜也は幻想郷の単語に反応した。
桜也「あの桜の木を幻想郷に持って行くなら俺も幻想郷に連れて行ってくれ!」
紫「…後悔しないかしら?」
紫は桜也に殺気で脅しをかけてみたが、桜也は真剣な表情で
桜也「ああ、後悔なんてしないさ。」
そう言った。
紫「…そう。なら、案内してあげるわ。」
紫がそういった瞬間、桜也の足元にスキマが開き桜也はその中に落ちていった。
紫「さて、次はあの桜ね…」
紫は特大のスキマを開くと桜の木を包み込んだ。
紫「私も帰ろうかしら?」
そして紫もスキマに入り消えた。
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