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いつの間にか気を失っていた桜也は目を覚ました。
桜也「………ここは何処だ?」
桜也がいる場所は見渡す限り桜の木で埋め尽くされている場所だった。
桜也「ものすごい数の桜の木だな。ん?桜の木ばかり?…ということはここは白玉楼か!」
そうと分かった桜也はとりあえず歩くことにした。
しかし、歩けど歩けど桜の木ばかりで景色が全く変わらない。
桜也「つ、疲れてきたぜ‥流石白玉楼だ。無駄に広いな。」
桜也が皮肉を言っていると、
…………………
桜也「今のは何だ?」
桜也が立ち止まった。
…………………
桜也「また聞こえた。…何処からだ?」
桜也が注意深く辺りを見渡す。
…………………
桜也「向こうからか。行ってみるか。」
桜也は何かが聞こえたらしい。その方角に足を向けた。
しばらく歩くと...
桜也「…遂に着いた。」
歩き続けた桜也はようやく白玉楼の建物を見ることができた。
桜也「早速西行妖を見ないとな。」
桜也ははやる気持ちを抑えつつ白玉楼の中を目指した。
【白玉楼】
桜也「無断で入ってしまったが、まあいいだろ。」
(こちらです桜也…)
桜也「さっきの声か!前よりはっきり聞こえるな‥」
桜也が先程から聞いていたのは声だった。いったい誰の声なのかは桜也は分からなかった。
桜也「西行妖見る前に声の主の場所に行くか。」
桜也はさらに白玉楼の奥へと入っていった。
(もう少しです桜也)
桜也「もう少しなのか?楽しみだぜ。」
そして桜也の目の前にとても大きな桜の木が現れた。
桜也「これが…西行妖か?」
他の桜の木よりも大きく、そして満開ではなく八分咲き。間違いなく西行妖だ。
桜也「西行妖は見れたが、声の主がいないな…」
(いますよ。先程からずっと)
桜也がとっさに声のする方角を向くとそこには西行妖よりは小さく他の桜の木より大きな桜の木があった。
桜也「この桜の木は…俺の家の庭に生えていたやつだ。」
桜也の目の前にあるのは桜也と一緒に育ってきた妖桜だった。
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