白玉楼

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桜也「俺に力を貸してくれ!! 木之花咲耶姫〈コノハナサクヤヒメ〉!!」 突如として白玉楼に舞っていた桜の花びらが桜也に集まって包みこんだ。 妖夢「何がなんだか分からなくなったけど…これだけは分かるわね。私はとんでもない人間と相手をしているってことね。」 妖夢がそう呟いた瞬間 桜也を包みこんでいた桜が空に舞い上がった。 そして姿を現した桜也の右手には1本の日本刀が握られていた。 桜也「お待たせ。」 妖夢「別に待っていませんが、その刀は?」 桜也が握っている刀は刀身がすべて薄い桜色で覆われていた。 桜也「この刀の名前は木之花咲耶姫。俺と一緒に生涯を共にする相棒だ。」 桜也は刀を妖夢に向けた。 桜也「妖夢、まだ闘わないといけないのか?」 妖夢「当たり前です!白玉楼に無断で入ってきてただで帰すわけありません。」 桜也の問いかけに妖夢は怒りながら答えた。 桜也「はぁ…仕方ない。お前を倒してここから逃げるしかないか…」 妖夢「やれるものならやってみなさい。白玉楼の庭師のこの私に切れぬ物などあまりない!」 ―――――――――― 桜也と妖夢の弾幕ごっこを見ている者が2人いた。 「紫~あの人間は何者なの?妖夢と良い勝負してるけど?」 紫「彼はさっき説明した妖桜と一緒についてきた外来人よ幽々子」 闘いを覗いていたのは八雲 紫と西行寺 幽々子だった。 紫「でも妖桜の正体が木之花咲耶姫ってことでも驚きなのに、彼が能力を持っていたのは驚いたわ。」 幽々子「そして木之花咲耶姫が彼に従っているのも驚きね~」 紫「面白い人間が外の世界からやってきたわね。ふふ…」 紫は口元を扇子で隠しながら笑った。 幽々子「ねえ紫、彼を白玉楼に引き取っていい?」 紫「あら?気に入ったのかしらあの人間が?」 幽々子「ええ、すごく気に入ったわ!」 茶化すつもりで言ったのだが、幽々子に満面の笑みで気に入ったと言われたので紫は苦笑いを浮かべた。 紫「好きにしなさい…まったくあなたには適わないわ。」 幽々子「じゃああの2人の闘いを止めないといけないわね。」 そう言って幽々子はゆっくりとした歩みで2人の元に歩いていった。
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