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本当は自分のことを誰も知らないような地で、一人でひっそりと生活するつもりだった。
しかし、家族総出で猛反対。
親父はリモコン落とすし、オカンは皿割るし、妹の茉莉に至っては持ってたケータイを投げつけ、「アホか」と叫んだ。
兄である、この俺に。
無理もない。
俺は、大の家電音痴だ。
俺が録画をした日には、これまで録っておいたものが全てパー。
洗濯機を使わせれば、洗剤+洋服の水ナシ洗濯。
…これは水の引き方がわからないだけだけど。
まぁとにかく、俺はそんな男だ。
かくいう、その一つ上の幼なじみっていうのが凄い。
それこそ、高校卒業までにはシッカリお酒の味がわかる程度に普段はチャラチャラしているくせに、実は見せつけるように勉強が出来る。
黙っていても向こうから女が近付いてくるような、端麗な容姿。
極めつけは、そんな自分を鼻に掛けないサッパリとした性格で、長年環境をいくら変えようとも依然そのカリスマ性だけは変わらないのだ。
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