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ピンポーン…
「……ん…」
ピンポーン…
「……ん……ん…?」
ピンポーン…
「……いま、あける……」
ガチャッ
「おはよう、クニ兄」
「おはよう?まさか。おそようだぜ?
大学はどうしたー。」
「今日は午後からだよ。」
「あらま。バイトは」
「今日はなし。」
クニ兄はそうか、と言っただけで、俺の部屋に入ってきた。
「目覚ましはー?」
「昨日はバイト深夜上がりだったから、セット忘れてたみたい」
「ったく、お前は俺がいねぇとホント駄目なー」
ニカッと、お日様のように笑われた。
ま、まぶしい…。
上京して二年。
俺はこの二年間を、クニ兄の隣の部屋で過ごしていた。
この金髪で派手な美青年は、俺の隣人兼幼なじみの田原邦行。
俺はクニ兄って呼んでいる。
一つ上の大学生だ。
家電も使えない俺を見かねたのか、身の回りの世話をしてもらっている。
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