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てっきり親元離れて完全な一人暮らしが待っているのかと思ったが、両親の手配したアパートはなんと、一年前に上京した幼なじみと同じアパート。
しかもお隣さん。
連絡は行き届いていたらしく、クニ兄は暖かく迎えてくれた。
そんなこんなで、クニ兄は俺のプチハウスキーパー。
情けないことに、炊事、洗濯、掃除の三大Sは、クニ兄にお任せしてる。
「昨日の残りだけどよー、カレー食う?」
ほらね。
「うん、食べる。」
「感謝しろよー、毎回多めに作ってんだからなァー」
ホントホント、壁越しのヤツなんかのためにね。
「ありがたや、ありがたや」
洗面所の蛇口を捻りながら言う。
鏡の前の俺に。
「こらァ!そういうことはねぇ!相手の目を見て言いなさい!」
おや、これは失敬。
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