いとこからの助言

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いとこからの助言

大野義人、29歳、小説家を夢見るフリーター、2つ下のいとこが結婚すると聞き、喫茶店で会う事にした。大野が行くと、いとこの恵子はもう来ており、手を振った「おめでとう」「ありがとう」2人とも何年来の出会いだったから、照れ臭かった。「義ちゃん、いつになったら就職するん?今の時代、資格もないと、つまらんよ」恵子は説教を並べた義人は恥ずかしくなりタバコに火を付けた。「貯金しとん?」痛い所を付かれた。「ごめんごめん、嫌いで言っとるわけじゃないんよ。心配なんよ…」暫く、沈黙が続いた。「じゃあ、ウチ、門限あるけん、式には絶対に来てよ。じゃあね。」情けなかった2つ年下の女性に心配されるなんて。「このままじゃいけねぇよなぁ」大野は溜め息まじりに呟いた。
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