日常的日常

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美少女がいた―― ゴールデンウイークも終わり、やっと高校にも慣れてきた今日、ぼけーっと歩きながらおれは学校へ向かっている。 ゴールデンウイークに何をしていたのか全く覚えてない。五月病。 ああ、なんか―― 「だるい」 典型的な五月病にかかり、典型的な五月病にかかったときの台詞をはく。 彼女と初めて出会ったのは、そんなどこにでもある日常の一時だった。 つやのある長い黒髪。威厳を感じさせる瞳。雪のように白い肌。凛としたたたずまい。 道路脇の壁の傍に隠れるわけでもなく、むしろ威風堂と立っている。 その姿は正に―― 大和撫子。 そう呼ばれるに相応しい美少女が、そこにはいた。 ただ。 おそらく、いや確実におれを見てる。 何故か見てる。 穴があくほどこっちを。 何で? 平凡なはずの高校生であるおれはまだ変態行為はしていない(別にこれからもする予定はないけど)。 顔が芸能人に似ているわけでもない。 なら、そんな子が何故おれを見ている? まさかあいつ。 おれに気が―― ……あるわけないよな。
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