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メモ帳サイズの紙を渡された。
「何も書いてないけど?」
「…………失礼。その紙と、何か書くものを貸してください」
なんだ今の間は? 気にはなったけど、とりあえずペンを貸す。
手の平の上で、さっきの紙に何か書いていた。
「電話番号とアドレスです。ご用のあるときはこちらへ」
改めて紙を渡される。
それは奇妙だった。
アドレスも番号も初めて見た……いや、初めてというのは当たり前なんだけど、アドレスは記号ばかり。番号も、090や080がついていないもの。
それに、黒板の文字と筆跡が明らかに違う。どっちも上手いんだけど、これは達筆、黒板のは精密って感じだ。
――考えすぎか。黒板にそっくりそのまま、文字を書ける方が珍しい。
とにかく。
怪し過ぎるだろ? 適当な番号教えて逃げる詐欺師かよ。
そう思い制服から携帯を取り出し、数字を打ち込む。
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