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初めて名前を聞いた。
すがた。
何故か妙にしっくりとくる。昔から知ってたみたいに。
気のせいだな。
目の前にいるけど、そのまま電話ごしに話を続ける。
「すがた、ああ、いや、呼び捨ては嫌か？」
「構わないですよ」
即答。まるで質問されることを知ってたような速さだった。
「じゃあ改めて。すがた――」
名前を呼ぶと、すがたはどこか優しげな表情を浮かべる。
「現実ってなんだ？」
「それは、あなたが最もよく知っているはずです」
「青いカラスは現実か？」
「青いカラスが実在しますか？」
質問に質問で答えるな。
「分かったよ……」
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