『1』time

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「『アリアス』」  殺風景な大地の中、ペットボトルを見つめながら肩を落とす少年がいた  短めの銀髪、中肉中背、髪と同じ澄んだ銀の瞳をした少年の左手には、複雑な魔方陣が書かれた本、右手には水の入ったペットボトルを持っていた 「ヴェインはセンスが無さすぎなのよ」  声のしたほうを向いて見ると、何もない空間から突如、少女が現れた  少女は腰まである桃色の髪、モデルのような体型、大きく丸い瞳をしていた 「うっせぇ。『魔導師』のリリアと違って俺は一般的なんだよ」  ヴェインと呼ばれた少年は少女に悪態をつく 「こんな初級魔術、一般人でも出来るわよ。貸してみなさい」  リリアと呼ばれた少女はヴェインからペットボトルを取り上げる 「『アリアス』」  リリアがそう呟くと、ペットボトルに入っている水は瞬時に凍った
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