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それを見たヴェインは舌打ちを打つ
「ヴェインは、今度の大会に出るんでしょ?」
リリアの言葉にヴェインは静かに頷いた
「まだまだ先だけど、今のままじゃ今大会優勝者、ロイスの足元にも及ばないわ」
「そんなこと……わかってる」
ヴェインはリリアからペットボトルを取り返すと、当てもなく歩き出した
「ちょっと、どこにいくの?」
「探検する」
ヴェインから返ってきた言葉にリリアは慌てて追いかける
「ちょっと!迷ったらどうするの!?東も西も、北も南も、軍が調べて何もないってわかってるのよ?」
リリアがそう言うと、ヴェインは足を止める
「まず、その軍の話が本当かどうかわからない。それに、何もないってわかってるなら何故、まだ軍があるんだ?」
ヴェインの言葉にリリアは俯く
「それは……それは街の平和を守るためよ!」
「何から?俺達の街は今で充分平和だと思うけど」
リリアは遂に返す言葉を無くしてしまった
リリアが何も喋らなくなったことを確認すると、ヴェインはまた歩き出した
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