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今日、父が死んだと堅苦しい文面の文書が届いて、初めて自分の肉親が生きていた事を知った。
文面は財産分与についてと書かれており、びっくりしたけど、どうでもいいかな?なんて同時に思ったりもした。
ついでに思ったのは、これで本当に『天涯孤独』ってやつになってしまったんだという事だった。
「あたしってば寂しい?」
悲しさが沸き起こらない自分に半笑いした後で、くしゃくしゃにした紙くずをゴミ箱に投げ捨てた。
なんだか、虚しい・・・お酒でも飲まなきゃやってられないや・・・
あたしは仕事終わりの重たい身体を持ち上げた
あたしの相棒はお酒だけ
辛いとき、何もなくてもこいつだけはいつもそこにあってなくなることはないし、飲めば一時でも生きてるなんて面倒くさい事考えなくてすむから
「あ・・・」
外へ出ると蜉蝣が飛んでいた
儚い命の象徴みたいな虫
「あたしもなりたいよ」
人間なんて生きてるだけでは、いけないことばかり。
面倒くさくて仕方がない。
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