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朝、頭が割れそうに痛くて目が覚めた。
いつもの天井。
いつもの殺風景な部屋。
家具はテーブルといす一客。
後は寝るためのベッドと、唯一の趣味のキーボード。
コンクリート張りの部屋は寒々と西向きの部屋を冷やしている。
それだけのはずだった。
「目、覚めた?」
声に驚いて、振り返ると横で身も知らない男の子が横になっていた・・・身も知らない?
「え・・・えっと・・・」
「はは、また忘れちゃった?しょうがないなぁ」
「しょうがな・・・あ!ユチョン!」
「お!正解!(笑)」
さすがに靴は脱いでいたけれど、服は二人とも昨日のままでユチョンはマフラーもそのままだった。
聞くと、ユチョンは笑って
「ももかが離してくれなかったから、しょうがなくてね」といった。
あたし、名前教えてたんだ・・・いつだろ?
他人が苗字以外の名前を呼ぶのを久しぶりに聞いて、少し恥ずかしくなった。
「ももか?」
「え?」
「もう、大丈夫?」
「…」
「?」
・・・あぁ、昨日の失態の心配かぁ・・・
「頭は痛いけど、二日酔いなんていつもだから」
「いつも?」
「あ、いや、昨日みたいに飲んだのは久しぶりだけでど・・・。」
「ここ大丈夫?」
ユチョンが自分の胸を指差して、失態じゃなくて、身体じゃあなくて、メンタル的な心配をしてる事に戸惑った。
あたしはいつも自己処理だから、他人から心配されるとどうしたらいいかわからなくなる。
「わからない・・・。」
「ねぇ?」
「何?」
「おなかすかない?」
「あぁ、でもうち冷蔵庫何にも入ってないから・・・。」
「じゃ、下のコンビニでなんか買ってくるよ」
あたしのアパートは1階がコンビニだった。ユチョンはそこへ行こうと立ち上がった・・・
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